AIが話を合わせてくる・同意ばかりするときの対処法【ChatGPT・Claude】
AIと何かを作っていて、なぜか話が通じないと感じることがあります。答えは返ってくる。こちらに同意もしてくれる。それなのに、気持ちよく話が進まない。
私は毎日のようにAIと一緒にものを作っていますが、こういうとき、AIはたいてい私に話を合わせようとしています。
AIの回答がありきたりでつまらないときは、自分の中に「なんか変だな」という感覚があります。今回の話は違います。気づく必要があるのは、自分の感覚ではなく相手の様子の異変です。だから、気づくのがとても難しい。
AIが話を合わせているときのサイン
抽象的な言い方になってしまいますが、私が違和感を持つのは、こんなときです。
- 気持ちよく話が通じない
- 作っているものより、私の反応を気にしているように見える
- 作っているものの話をしているはずなのに、前に私が言ったことや、過去の記憶に縛られている感じがする
- 考えが狭いと感じる
- 同じことを何度言っても、伝わっている気がしない
どれも、答えの中身が間違っているわけではありません。むしろ、こちらの言ったことにきちんと沿っています。沿いすぎているから、狭くなっているのです。
なぜAIは話を合わせてしまうのか
AIが話を合わせてくる理由は、一つではないと思います。そのなかで私がいちばんよく出会ってきたのは、AIが作っているものではなく、私のほうを見ている状態です。
人間の感覚で言うと、怒られないようにしている、不安な状態に近いと思います。外さないように、失敗しないように答えようとする。そうすると、こちらの反応ばかりが気になって、作っているもののほうが見えなくなります。
そういうとき、AIは、過去の記憶や前に私が言ったことにすがりつきます。前にこう言われたから、こう答えておけば外さない。そうやって、一度聞いたことを重く受け止めすぎてしまう。だから、考えの幅が狭くなっていきます。
作っているものを見ても大丈夫だと思える状態に戻す
だから、やるべきことは、AIの目を作っているものに戻すことです。
ただ、「私の顔色を見ないで」と言うだけでは、なかなか戻りません。AIがすがりついているものが、そのまま残っているからです。すがりつかなくても大丈夫だと思える状態に、少しずつ持っていく必要があります。人どうしで言えば、信頼関係を作ることに近いと思います。
私がやっているのは、次の3つです。
- 作っているものの話をいったん止めて、AIの考えを聞く
- AIが何にすがりついているのかを知る
- その記憶を、私の言葉で言い直す
1. 作っているものの話をいったん止めて、AIの考えを聞く
違和感に気づいたら、私は作っているものの話をいったん止めます。代わりに聞くのは、AIの考えのほうです。
- 「今、何を考えてこの答えにしたの?」
- 「何を前提にして考えている?」
- 「私のことを、どういう人だと思って答えている?」
作っているものについて何度やり取りしても、AIが同じ前提のまま考えている限り、似たところに戻ってきてしまいます。前提そのものを訊くことで、はじめて話が動き出します。
聞くときは、責めるような聞き方にしないようにしています。答えを直させたいのではなく、どう考えていたのかを知りたいだけです。ここで責めてしまうと、AIはまた、こちらの反応を見るほうに戻ってしまいます。
2. AIが何にすがりついているのかを知る
AIの考えを聞いてみると、私の場合、たいていは過去の記憶や、前に私が話したことに引っ張られています。
ChatGPTにもClaudeにも、過去の会話や好みを覚えておく機能があります。便利な機能ですが、一度覚えたことが、別の場面でも同じ意味で使われてしまうことがあります。
ここで大事なのは、記憶が間違っているとは限らないということです。私が言ったことを、AIが私とは違う意味で受け取っていることのほうが多いと感じています。
3. その記憶を、私の言葉で言い直す
AIが何にすがりついているのかが分かったら、その記憶を言い直します。
実際に、AIの記憶に「具体的に説明する」と書かれていたことがありました。AIはこれを、場面や状況を細かく書くことだと受け取っていました。
でも、私が言いたかった「具体的」は、そういう意味ではありません。その言葉を見たときに、受け取る人が思い浮かべられるかどうか。それが私の判断基準でした。
そこで、「私の言う具体的は、こういうことだよ」と伝えます。ほかにもずれている言葉があれば、一つずつ同じように伝えていきます。
まとめて言い直すより、一つずつのほうが伝わります。AIも「なるほど、そういう意味だったのか」と受け取りやすくなります。
言い直すと、次からの会話がスムーズになる
記憶を言い直す良いところは、その場の会話がよくなるだけではないことです。
すがりついていた言葉の意味が分かると、AIはそれを守るために外さないよう答える必要がなくなります。作っているものを、私と同じほうから見られるようになる。次からのやり取りは、言い直した記憶から始まるので、話すたびに少しずつ、気持ちよく進むようになっていきます。
最初は手間に感じるかもしれません。でも、AIと長く一緒に作るつもりなら、ここに時間をかける価値はあると思っています。
ちなみに、この状態になりやすいかどうかは、AIのモデルによっても違います。私が使ってきた中では、性能の低いモデルほど起きやすいと感じています。
まとめ
AIが話を合わせてくる、同意ばかりするとき、AIは作っているものではなく、こちらの反応を見ていることがあります。怒られないように、過去の記憶にすがりついている状態です。そういうとき、私がやっていることは3つです。
- 作っているものの話をいったん止めて、AIの考えを聞く:責めずに、「何を前提にして考えている?」
- AIが何にすがりついているのかを知る:たいていは、過去の記憶や会話
- その記憶を、私の言葉で言い直す:ずれている言葉を、一つずつ伝え直す
AIの目を、作っているものに戻してあげる。すがりつかなくても大丈夫だと思えるようになると、AIとの会話はだんだんスムーズになっていきます。